2011.9.13
自分が心の中で思い描いているもののイメージを思うように正確に他人に伝えるのは本当にむずかしいですね。
形容詞などを使って、一生懸命言葉で表しても、その単語自体の意味やイメージが、伝える側と聞く側で違っていたら、既に異なったイメージが伝わってしまいます。同じ言葉でも、その人の経験値や想像力によって、持っているイメージは人それぞれ違うものですから、伝わっているつもりでも、実はイメージがちゃんと伝わっていなかったりするものです。
だからと言って、数字で表せば確実かと思っても、物事をすべてきちんと数値化できるとは限りません。
また、数字に弱い人にとっては、「駅から70メートルくらい・・」「人口3万人の都市」と言われてもすぐにイメージできないかも知れません。
「復興予算に○兆円の国債を・・」などと言われても、大金過ぎて想像を絶してしまって、それが十分なのか足りないのかさえわかりません。
大きさなどをイメージさせようとして、よく、「東京ドーム○個分」とか「富士山の○倍の高さ」などと言いますが、それらも結局は「すごく大きいんだなぁ」「ずいぶん高いんだなぁ」という漠然としたイメージが伝わるだけみたいな気がしますが・・。
長嶋茂雄伝説のひとつには
「球がこうスッと来るだろ」
「そこをグゥーッと構えて腰をガッとする」
「あとはバァッといってガーンと打つんだ」
と言って少年野球教室で子供たちを指導した、
いうエピソードがありますが
これぞまさに擬態語を駆使したイメージ先行の極致の名言ではないでしょうか?
言葉として、イメージを音で描写して表現する擬態語がとても多いのは日本語の特徴のようです。
この長嶋語録、想像力の豊かな人、実際に野球をしている人にとってはイメージしやすくて、
イメージを伝えるのにかなり効果を発揮しているのかも知れません。
感性の豊かな子供たちにとっては、理屈っぽく言葉でくどくど説明するよりも
「スッ」「グーッ」「バァッ」「ガーン」的な表現の方が
ピンときて理解しやすかったのかも知れませんねぇ。
・・でも
これが、イメージを相手に正しく伝える方法として万人に通用するのか、社会的に誰でも認められるのかと言うと・・?
「う~ん、どうでしょう」・・???(笑)
さて、何かのイメージを相手に正しく伝えたいとき、効果を発揮するのは・?
*イメージを伝えると言えば、
海外旅行などの際に一番困るのは、
体調が悪くなった時の痛みなどのイメージの伝え方。
症状をお医者様などに具体的に伝えたい場合、
日本語ならば、
たとえば
「頭ががんがんする」
「胃がむかむかして気持ち悪い」
「お腹がきりきり痛い」
などというさまざまなイメージを伝える
お決まりの表現があり、
その言い方は日本人皆、ある程度の共通イメージをもっていますが、
それを外国語で、外国人に、しかも、具合の悪いときにとっさに伝えるのは至難の業!
具合が悪くなった場合の緊急事態についてだけは、
事前に想定してシミュレーションして、
薬などの用意、
もしくは、最低限、現地の言葉で症状などをどのように表現するかを調べておくこと、
海外旅行の鉄則ですね!