先週はDIC川島記念美術館の「カラーフィールド展」で癒されましたが、
https://colorexpress.blog.jp/archives/10094984.html
強烈な蒸し暑さの日々、さらに「色のパワー」でエネルギー補給したい、と
東京国立近代美術館で開催中の「ゲルハルト・リヒター展」に行ってきました。
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/gerhardrichter/
会場に入ると、いきなり目に飛び込んでくる、さまざまな色が凝縮された大きな作品群―「アブストラクト・ペインティング」のシリーズ。
絵具を直接スキージ(へら)で塗りたくった感のカラフルな作品群。
絵具の厚みがそのまま残されていて、筆の勢い、筆致、作者が描いている姿が想像できるくらい何層にも絵具を重ねた「抽象画」の圧倒的なパワー。
さらに行くと、なんと、「カラーチャート」シリーズ!
ちょうど、【カラーエクスプレス】のグリッド表示のパレットのようなイメージで、カラープレートがぎっしりの作品群。
昔、WindowsXP時代からある時期まで、PCの調子が悪くならないように定期的に行っていた「デフラグ」の最適化画面も思い出しました。
「ピクセル」のイメージでなんとなく見慣れたイメージで親近感ありですが、サイズ感が全く違うため迫力が違います。色のリズムが迫ってくる感じでした。
また、「ストリップ」という作品はで細い色の帯を壁面いっぱいに重ねた巨大なデジタルプリント、横幅10メートルというサイズ感も圧倒的でした。
カラフルな「色」をメインとした作品だけでなく、無彩色グレイ一色のメタリックなイメージの作品等、「カラーワールド展」で先週見た作品と共通するものなどもありました。
抽象画とともに、写真に絵具をオンした、一見コラージュにみえるような作品群、
わざとぼかして、もやをかけたようなタッチの風景画や肖像画など、
同じ人の作品と思えないほど、バリエーションが豊かな展示でした。
テーマも、アウシュビッツ収容所の写真をもとに描かれた抽象画や、大流行した「ツインピークス」のタイトル画像を思い出させる不思議なイメージの肖像画(←チラシ等のメインイメージにも使用されています)やら、幅広く、しかも、グラファイトを使用した「ドローイング」のシリーズでは、「2021年10月5日」などと描かれた日付けがタイトルになって連日分がずらーっと並んでいて、「これって去年の秋に毎日コツコツ描かれたんだなぁ…」と生々しくリアル。
展覧会に展示されている作品では過去の巨匠作の名画が多いですが、今年90才でも未だ現役で描き続けているリヒターならではですね。あらためてその多才なパワーにエネルギーをもらいました。
抽象画は好き嫌いがはっきりと分かれますが、暑い日々、お堀端の美術館の涼しい異空間で、60年間描き続けている画家の軌跡に圧倒されるばかりで、パワーチャージされました。
下記のサイト、帰宅後に復習で見たのですが、概要記載がとてもわかりやすかったです。